物忘れ外来では、認知症およびその前段階である軽度認知障害(MCI)を早期に発見し対応することで、認知症への進行をできる限り防ぐよう、診察・治療いたします。
専門医でも難しいのは、初期段階で本当に軽度認知障害(MCI)であるかどうかの見極めです。つまりうつ病との鑑別、アルツハイマー型認知症以外の珍しいタイプの認知症かどうかの鑑別です。
以下の項目、当てはまるのはいくつくらいありますか?
当院の物忘れ外来では、認知症心理検査セットを使用し、心理士が心理検査を行います。機器検査では、院内での心電図測定、脳波計測定に加え、連携している医療機関(東京医科歯科大学附属病院、国立国際医療研究センター、等)にてMRI、SPECT、PET撮像等を行います。その上で、総合的に診断をします。
まずは医師による問診と簡易テストを行います。心理検査は同日に行えることもありますが、別日となることもありますのでご了承ください。まずは心の状態を把握します。
①まずご本人に困っていることをお話しいただきます。またご本人の同意を得た上で、同伴者からもお話を聞きます。
②簡易テストを行います。
③必要な検査を判断し、ご本人に説明します。
当院では、MMSE(Mini-Metal State Examination)など複数の心理検査を採用しています。所要時間としてはおおよそ1時間くらいです。
検査終了後、心理士による検査結果の精査が行われ、診断結果が担当医に伝えられます。
血液検査、医療機器による検査は考えられる症状に応じていくつもの組み合わせがありますが、代表的な検査は以下のようなものです。
アルツハイマー型やレビー小体型の認知症では特徴的な脳波が現れます。
また、認知機能の低下は認知症以外の疾患が原因でおきることもあります。てんかんなど、他の脳疾患がないかどうかも確認します。
脳の形を評価いたします。
通常の脳よりやせていないか、脳梗塞がないか、など目視で診断いたします。
脳の血のめぐりのよさを評価いたします。
様々な断面の血流量を可視化することにより、脳の部分的な働きが分かります。
赤いほど血の巡りがよい箇所です。
心理検査や医療機器による検査結果が出揃ったところで担当医による総合的な診断が行われます。
通常起こりうる加齢による記憶能力の低下なのか、軽度認知障害(MCI)や初期の認知症なのか、認知症とは別の疾患であったのか、
MCIや認知症であった場合は、治療方針をご本人と話し合います。当院では、投薬による治療またはデイケアによる認知機能トレーニングを提供しています。
認知症とは別の疾患であった場合、または当院の専門外の症状の場合は、提携している医療機関にご紹介いたします。